エコ検定の勉強をしている中、「世界農業遺産」というものを知りました。
早速見てみたいと日本で認定を受けているところを確認すると、近くにあるじゃないですか!
ということで、大阪から南下して「みなべ・田辺の梅システム」を見るため、愛車(自転車)とともにみなべ町に足を運びました。
今回の旅
それでは、みなべ町の旅をお伝えします。
Contents
みなべ町とは?
人口・面積
- 人口:12,804人
- 世帯数:4,816世帯
- 面積:120.3㎢
役場のHPを見ると、みなべ町には「うめ課」というものがあるようです。
歴史
弥生時代の銅鐸が数多く出土していたり、縄文時代の西日本最大級の集落が発掘されたりしたことから、南部(みなべ)は古くから紀伊半島の重要な拠点だったと考えられています。
早くから皇族の荘園であったものの鎌倉時代では高野山領となり、南北朝時代から地頭の野辺氏の勢力が強大となり15世紀には支配されました。
関ケ原の戦い後は浅野氏に支配されますが、大坂の陣後には紀州徳川氏の家老安藤氏の所領となります。
明治になり大庄屋に変わって郷長が置かれるなど行政制度が改変され、市町村制実施後に南部村(後、南部町)、岩代村、上南部村、高城村、清川村が誕生。
1954年の「昭和の大合併」により南部町・南部川村が誕生し、2004年に昔のように一つとなって「みなべ町」が生まれました。
産業構造
RESASより2012年度の数字を確認しました。
売上高(65,962百万円)
- 製造業-飲食料品製造業:23,830百万円
- 建設業-総合工事業:5,830百万円
- 卸売業、小売業-飲食料品小売業:4,617百万円
付加価値額(15,393百万円)
- 製造業-飲食料品製造業:5,367百万円
- 建設業-総合工事業:1,263百万円
- 卸売業、小売業-飲食料品小売業:880百万円
売上高・付加価値額ともに、全事業の30%以上を「製造業-飲食料品製造業」が占めています。
みなべ町の魅力
みなべ・田辺の梅システム
400年前から受け継がれてきた梅を中心とする持続可能な農業システムが、2015年12月、世界農業遺産に認定されました。
「みなべ・田辺の梅システム」は、下記のような点で高く評価されています。
紀州備長炭の「新炭林」で山を守る
みなべ・田辺地域では、昔から「新炭林を残すため、山全体を梅林にしない」という慣習が守られてきたそうです。
炭焼き職人が紀州備長炭の原材料のウバメガシやカシを択伐することで、土砂崩れなど山が荒れるのを防いでいます。
地道な炭焼き職人の管理・整備があるから、山は健全な状態に保たれ、持続可能な農林業が存在しています。
みなべ町には、「紀州備長炭振興館」という建物があり、今回は坂がきつくてたどり着けず断念しましたが、次きたときは見ようと思っています。
ミツバチによる受粉で梅が育つ
みなべ・田辺地域で栽培されている梅のほとんどは自家受粉できないため、近くに植えた多種の梅の花粉で受粉させます。
何百という木に手作業でするのは大変なので、古くから受粉には二ホンミツバチが利用されています。
この梅とミツバチとの共生関係が世界農業遺産として評価されました。
梅の収穫・加工技術が高品質の南高梅を生む
みなべ・田辺地域では、ほとんどの梅の生産者が、収穫した梅を白干しにする一次加工までをします。
南高梅は栽培の段階から、良質の梅干しになるように育てられ、加工業者も南高梅の魅力や特徴を熟知しています。
この「地域の生産者と加工業者との密接な連携」も、世界農業遺産として評価されたポイントです。
薪炭林から海辺まで多様な生態系を保つ
みなべ・田辺地域の梅林と薪炭林では、ハイタカやオオタカの生息、サシバやハチクマの飛来が、また山間のため池や里地の水田では、カスミサンショウウオやアカハライモリなどの希少種が確認されているそうです。
「みなべ・田辺の梅システム」により土壌の崩落や流出が防がれ、総合的な自然環境が守られるため、多様な生き物の生態系が維持されています。
下記の動画でも、「みなべ・田辺の梅システム」を紹介していますので、ぜひご覧ください。
みなべ町での出会い
梅のことを一緒に勉強しよう!
みなべ町にきたなら「梅」のことを知りたい、と訪れたのが国道424号線沿いにある「みなべ町うめ振興館」。
中に入ると、「みなべ・田辺の梅システム」を解説するビデオや模型が置いてありました。
奥に進むと「みなべ町の代表的な梅」や「自然の風土」、「うめの形態と分類」など、決して広いとはいえない空間の中で十分すぎるほどの梅に関する情報がありました。
一通り資料を見終わって、次に移動しようしたら何やら暗い部屋が。
部屋に入ると、突然画面が光って音楽が流れます。
「ぼくの名前はぷらみー君!」
…なんだか、とっても昭和チック。
「今日は一緒に梅のことを学んでいこう!」
「解説は梅のことならこの人に聞けっていう…」
「梅博士!」
そのまんまだな、おい!
「わしの名前は、梅博士」
って、声高いな!
もっと、しゃがれた感じをイメージしてたよ!
序盤からツッコミどころ満載でスタートしたわけですが、
内容自体は「果実の中でも栄養価値が高い」「疲労回復」「食欲増進」「がんの予防」など、あらゆる梅の効能がわかり満足しました。
最後に、梅博士からぷらみー君に質問。
「それじゃあ、ぷらみー君。今日の授業を一言でいうと?」
なかなか難しいことを仰られる。
梅の効能はそれこそ沢山あるが、一言でまとめきれるのか?
ぷらみー君は、この難問をどう答えるのか???
「健康は毎日一粒の梅干しから!」
シンプル イズ ザ ベスト!!!
ということで、梅干しはあんまり好きではないのですが、毎日一粒食べるように努力したいと思いました。
さいごに
みなべ町での走行距離は30km程度であるものの、その中で多くの「梅」に関わることを知ることができました。
梅の商品も数多くあって開拓心をくすぐられますし、右も左も梅の木ばかりでその多さに驚きます。
次は梅の花が咲き誇る、2月~3月にきたら素晴らしい光景がみれるのではないかと思っています。
待ってろよ!梅の町、みなべ町!