今回も週休1日ということで、33日間いて5日間の休日がありました。
そんな貴重なお休みには勉強をしてばかりでしたが、1日だけ近く(といっても電車で40分くらい)の美瑛町へ行ってきました!
「青い池」を目的にしていたのですが、思った以上の発見が…
「これだから旅は面白い」なんてことを再認識したひとときでした。
Contents
美瑛町ってどんなところ
北海道の真ん中ら辺に位置する「美瑛町」。
「白銀の青い池」や「パッチワークの丘」が有名な他に、「日本で最も美しい村」にも加盟しています。
大まかな美瑛町情報
まず大まかな情報から美瑛町をみていきましょう。
人口・面積(2019年9月30日時点)
- 人口:9,948人
- 面積:676.78㎢
- 人口密度:14.7人/㎢
昭和40年頃には2万人以上であった人口も過疎化が進展したことから、今では10,000人ほどになってしまいました。
しかし「住みやすさ」を重点とした街づくりによって、最近では移住者が増えてきているようです。
歴史
美瑛町が誕生してから100年以上経っていて、火山・冷害などの自然災害や自動車CMの起用といった知名度の向上まで色々とありましたが、ほんの一部だけを以下の表では書いています。
先史時代~初期開拓時代 | 約1万年前には人が住んでいたが、アイヌの人たちは住んでいない |
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1894年 | 入植開始 |
1900年 | 神楽村から美瑛村として独立 |
1940年 | 町制施行に伴い美瑛町へ |
1944年 | 市街地に空襲 |
1946年 | 海外引揚者が入植 |
1976年 | 煙草のパッケージに「セブンスターの木」が使用 |
2005年 | 「日本で最も美しい村」連合を設立 |
2012年 | Aplle Inc.が「青い池」を壁紙に使用 |
入植してからしばらくは火山・冷害・大凶作・殿様バッタの襲撃など、多くの災難がありましたが、最近になって知名度もあがっているところです。
産業
地域経済分先システム(RESAS)より、美瑛町の産業における付加価値が大きい業種と全国・北海道との比較です(2016年度)。
順位 | 美瑛町 | 北海道 | 全国 |
1位 | 農業・林業(26.5%) | 卸売業、小売業(23.0%) | 製造業(23.8%) |
2位 | 卸売業、小売業(18.3%) | 医療、福祉(15.1%) | 卸売業、小売業(18.7%) |
3位 | 製造業(14.9%) | 製造業(11.3%) | 建設業(7.2%) |
上記の表より全国・北海道全域に比べて美瑛町では圧倒的に「農業・林業」の規模が大きく、色鮮やかな景色だけでなく産業でも町を支えていることがわかります。
「日本で最も美しい村」連合とは
美瑛町はNPO法人「日本で最も美しい村」連合の設立当初から加盟していて、元美瑛町町長が現在の会長を努められています。
- 目的:生活の営みにより形成されたきた景観・環境や地域の伝統文化を守り、これらを活用することで観光的付加価値を高め、地域の資源の保護と地域経済の発展に寄与すること
- 取り組み:ブランド価値を高める活動の推進、プロモーション活動の充実、「日本で最も美しい村」連合の組織の強化、理解者の拡大、連携・交流の強化
加盟村一覧
北海道地方 | 美瑛町、中札内村、江差町、江部乙、清里町、赤井川村、標津町、京極町、黒松内町、鶴居村 |
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東北地方 | 昭和村、西目屋村(青森)、岩木(青森)、佐井村(青森)、田子町(青森)、東成瀬村(秋田)、小坂町(青森)、大玉村(福島)、三島町(福島)、飯舘村(福島)、北塩原村(福島)、飯豊町(福島)、大蔵村(山形) |
関東・中部地方 | 木曽町(長野)、南木曽町(長野)、中川村(長野)、原村(長野)、大鹿村(長野)、伊那市高遠町(長野)、高山村(長野)、小川村(長野)、昭和村(群馬)、六合(群馬)、中之条町伊参(群馬)、那珂川町小砂(栃木)、松崎町(静岡)、川根本町(静岡)、早川町(山梨)、東白川村(岐阜)、下呂市馬瀬(岐阜) |
関西・中国・四国地方 | 小代(大阪)、吉野町(奈良)、十津川村(奈良)、曽爾村(奈良)、伊根町(京都)、和束町(京都)、新庄村(岡山)、海士町(島根)、智頭町(鳥取)、上島町(上島)、本山町(高知)、馬路村(高知)、上勝町(徳島) |
九州・沖縄地方 | 星野村(福岡)、東峰村(福岡)、高森町(熊本)、南小国町(熊本)、球磨村(熊本)、塚原(宮崎)、椎葉村(宮崎)、高原町(宮崎)、小値賀町(長崎)、喜界町(沖縄)、多良間村(沖縄) |
いくつか訪れたことがあり、どこも「なんでこんな綺麗なんだろう」と思うばかりでした。
加盟条件は①人口が概ね1万人以下であること、②地域資源が2つ以上あること、③連合が評価する地域資源を活かす活動があることとし、現在64町村が加盟をしています。
美瑛町の見どころを教えます
下調べでは「青い池」しか情報のない状態で言ったのですが、思った以上に面白くて驚きました。
特に街並みが綺麗で、ただ歩いていても飽きません。
そんな美瑛町の魅力を、少しだけご紹介させていただきます。
まずはお馴染み「白銀の青い池」
2012年、Aplle社の壁紙になってから一躍有名になった「白銀の青い池」。
私も行ってきましたよ、美瑛駅6時55分発の道北バスに乗って(朝早かった…)!
自画自賛するくらい、お気に入りの一枚です。
朝方は曇っていたこともあり幻想的で、時間が経つと晴れてまた景色が変わりました。
実はこの「青い池」、昭和63年の噴火をきっかけに作られた砂防施設なんです。
近くの湧水に水酸化アルミニウムなどの微粒子が含まれていて、美瑛川の水と混ざることによってできるコロイドが青く見える要因とされます。
美瑛駅からバスで20分。
バスは一日5本しかありませんので、利用する場合は時間を見ながら動きましょう!
帰り道には白樺街道を通りながら、道の駅びえい「白銀ビルケ」に寄ることをおすすめします。
自然の恩恵を受ける街
美瑛駅にたどり着いてまず一番に思ったのは、「この駅オシャレだなあ・・・」ということです。
他にも美瑛の街を歩けば、いたるところに石造りの建物が見受けられます。
道の駅びえい「丘のくら」
なぜ石造りの建物が多いのかというと、「美瑛軟石」が採掘されていたからです。
「美瑛軟石」とは
- 100万~200万年前に北海道中央部で発生した火砕流が堆積して固まった流紋岩質凝灰岩
- 色調はやや明るい象牙色で、キラキラとした石英が多く含まれている
加工がしやすいことから「軟石」と呼ばれていて、駅や倉庫、家屋などを建てる石材として使われていたのです。
光のあたり具合で見え方が変わったり、触ったら冷たい質感が良かったりと、私も美瑛軟石が好きになりました。
「美瑛駅」「道の駅びえい丘のくら」「丘のまち交流館 bi.yell」「丘のまち郷土学館 美宙」などで使われていますので、訪れた際はぜひご覧ください!
立ち並ぶ三角屋根は町づくりの一つ
美瑛駅を出てからすぐにメインストリートがあり、見渡すと三角屋根の建物がいくつもあるのです。
住民主導で約20年に渡る協議によって「街並みづくりルール」が作られ、三角屋根は十勝岳をイメージし、材料には「美瑛軟石」が使われています。
まっすぐに見える雄大な十勝岳と、町民によって作られた三角屋根の立ち並ぶ景色を見ると、どうやって地域を活性化するのかということを考えさせられました。
意図せず自然と作られた街並みも好きですけど、地域資源を知った上でさらに創意工夫した結果できた景観というのも勉強になっていいなと思いました。
おわりに
美瑛町に足を運んで、あらためて「街づくり」について考えさせられました。
色んな地域に行けば「地方創生」の言葉を耳にすることも多く、いたるところで「街づくり」をしています。
しかし場所によっては「これは地域資源・・・?」と思うところもあるような気がしてました。
美瑛町の場合は「色鮮やかな農業風景」「山の恵み美瑛軟石」を地域資源と捉え、目に見える形で町全体で創り上げたところが素敵だなと。
良いものを見極めてみんなで盛り上げるというのは、いつかやってみたいと一人ひっそりと思いました。