「初めてオーストラリアに行くけど、何を調べたらいいのか?」
日本と海外とでは言葉だけでなく、治安状況や生活環境など様々な違いがあり、知らずに危険な目にあうこともありえるでしょう。
もし「ツアーに申し込んでいるから安心」という方でも、訪れる地域についての予備知識があると旅の面白さも増えるはず!
この記事ではオーストラリアの基本情報に加えて、「治安状況」や「生活環境」などの情報もお伝えします。
Contents
オーストラリアの大まかな情報
オーストラリアの概要
オーストラリアは世界6位の面積を持ちながらも、人口は世界の中で50位ほどで人口密度は3.2人/㎢という広々とした国です。
様々な気候を持つ土地であることから、野菜や肉、魚、果物など多くの食べ物が生産されています。
オーストラリアの概要
人口(2018年度) | 2,517万人(世界53位) |
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面積 | 769万㎢(世界6位) |
人口密度 | 3.2人/㎢ |
名目GDP(2018年度) | 14,200,億USドル(世界14位) |
一人当たりの名目GDP(2018年度) | 56,420USドル(世界11位) |
民族構成 | イギリス系25.9.%、オーストラリアン25.4%、その他ヨーロッパ系23%、中国系3.1%、インド系1.4.%、その他(先住民アボリジニ5%を含む)15.8%、不明5.4% |
政体 | 立憲君主制 |
宗教(2016年度) | プロテスタント23.1%、カトリック22.6%、その他キリスト教4.2%、正教会2.3%、仏教2.4%、イスラム教2.6%、ヒンズー教1.9%、無宗教30.1%、その他の宗教1.3%、不明9.6% |
言語 | 英語 |
通貨 | AUD(オーストラリアドル)※2020年1月26日時点で1ドル74円 |
気候 | 熱帯、亜熱帯、砂漠、温帯 |
産業別GDP構成比(2017年度) | 第一次産業(2.7%)、第二次産業(24.7%)、第三次産業(72.6%) |
鉱物資源(2007年度) | 石炭(世界3位)、鉄鉱石(1位)、天然ガス(15位) |
金属資源(2007年度) | ウラン鉱(世界2位) |
人口が少なくとも「名目GDP」や「一人当たりの名目GDP」は10位台となっていて、経済的にみても豊かであることがわかるでしょう。
オーストラリアの歴史
オーストラリアでは約4万年ほど前に先住民であるアボリジニの祖先が住み着き、インドネシア人や中国人との交易を経て、1500年代からヨーロッパ人が上陸するようになりました。
下記のように書かれている1770年に英国人が上陸して領有宣言をして以降、100年以上も続く長い植民地時代が始まります。
オーストラリアの歴史
1770年 | 英国人探検家クックが現在のシドニー郊外、ボタニー湾に上陸、英国領有宣言 |
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1788年 | 英国人フィリップ海軍大佐一行、シドニー湾付近に入植開始、初代総督に就任 |
1901年 | 豪州連邦成立(六つの英国植民地の請願により連邦が憲法を制定、連邦制を採用) |
1942年 | 英国のウェストミンスター法受諾(英国議会から独立した立法機能取得) |
1975年 | 連邦高等裁の英国枢密院への上訴権を放棄 |
1986年 | オーストラリア法制定(州裁判断の上訴権を放棄する等英国からの司法上の完全独立を獲得) |
1999年 | 共和制移行の是非を問う国民投票を実施(結果は立憲君主制の継続) |
(「外務省ホームページ」より作成)
今では植民地時代が終わったといえども、アボリジニや新移民は英国民系移民に比べて社会的地位が低いといった課題も残したままなのです。
出発前に調べておくこと
気になるオーストラリアの治安情報
オーストラリアの治安を知るには「世界平和度指数」という大きな視点と、「外務省の危険情報」という小さな視点からみていくといいでしょう。
世界平和度指数
世界平和度指数(GPI)とはイギリスのエコノミスト紙が24項目から144ヵ国を対象に分析し、各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化したものです。
項目には「対外戦・内戦の数や推定死者数、程度」「近隣国との関係や、他の市民に対する不信感の程度」「人口に対する難民・追放者の割合」「政治的不安定さや人権尊重のレベル(政治テロの程度)」「殺人事件の数や暴力犯罪の程度、犯罪収容者の数」「軍事力や重兵器、小型兵器の数」などがあります。
順位 | 国 | 指数 | 前年比 |
1位 | アイスランド | 1,072 | ⇒ |
2位 | ニュージーランド | 1,221 | ⇒ |
3位 | ポルトガル | 1,274 | ⇑ |
4位 | オーストリア | 1,291 | ⇓ |
5位 | デンマーク | 1,316 | ⇒ |
13位 | オーストラリア | 1,419 | ⇒ |
外務省の危険情報
オーストラリアは比較的に治安の良い国ですが、日本と比較すると一般犯罪が多く発生しているので慎重な行動が必要です。
犯罪発生率は罪種別で比較すると日本の2~25倍ほどを推移し、特に窃盗と暴行傷害、次いで家宅侵入の発生率が高くなっています。
危険レベル:表示なし
犯罪発生状況
最近では若者の飲酒による傷害事件が繁華街で多発していることに加えて、ACT(オーストラリア首都特別地域)内に存在するギャンググループ同士の抗争が発生しているので、事件に巻き込まれないように注意しなければなりません。
日本人の被害事例
- シドニー西部のショッピングセンターのトイレで、中東系の男性4名に取り囲まれ財布を強奪された
- レストランで食事をしていて、隣の席に置いていた旅券入りバックを盗まれた
- ワーキング・ホリデーの若者を中心とした賃金や家賃に関するトラブル
- 夜間にバンダバーグ駅付近を歩いていた邦人女性が、突然後ろから突き飛ばされて所持品を全て奪われる
防犯対策
実際によく発生している、発生する可能性が高い犯罪の注意事項は以下のとおりです。
置き引き
- 荷物の入れ替えの際に携行品に対する警戒を怠らない
- カバン等を床やカウンター上に置いたまま手続きに没頭しない
- 席を離れる際は必ず貴重品を持って移動する
スリ・ひったくり
- パスポート及び航空券、多額の現金や貴重品を持ち歩かない
- 携行品等は車道側に持たず、身体の前面で手を添えて保持する
- 人前で不用意に財布を出し入れしない
- 不意に話しかけられても、持ち物から注意をそらさない
女性に対する暴行
- 夜間の一人歩きは避ける
- 昼間でも人通りのない場所への立ち入りは注意
- 知り合いでも拒絶する場合ははっきりと「No」と意思表示を
宿泊先での盗難等
- 貴重品は金庫かセーフティボックスに保管する
- 部屋に荷物を残す場合、必ず複数の鍵をかける
- 人前で自分の部屋番号や行動予定をあまり話さない
- 外から戻った際には不審者がいないかを確認し、何かあればフロントへ
- バックパッカー向けの宿泊施設では貴重品を肌身離さずに
オーストラリアでのお金事情
出発も含めて滞在にかかる費用は以下の通りです。
- 航空代
- 宿泊代
- 外食代
- その他費用(ミネラルウォーターやビールなど)
それでは各費用を一つずつみていきましょう。
航空代
オーストラリアに行って戻ってくるのに必要なお金を、国内大手の比較予約サイトで調べてみました。
検索条件
- 日にち:検索日2020年1月27日、出発日2020年5月11日、帰国日8月11日
- 出発地:東京
- 目的地:シドニー
- 座席タイプ:エコノミー
- 人数:大人 1人
エアトリ | 41,600~512,000円 |
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スカイチケット | 41,600~403,500円 |
トラベリスト | 83,380~171,120円 |
エクスペディア | 57,642~168,020円 |
イーツアー | 41,600~403,500円 |
スカイスキャナー | 51,490~403,500円 |
サイトによって取り扱っている航空会社が違うようで、最安値と再高値のどちらも差がありますね。
エアトリとスカイチケットでは「41,600円」とかなりお安く、調べてみて「こんなに安く行けるの・・・?」と驚いてしまいました。
宿泊代
5つ星の高級ホテル「$300」から、バックパッカーズホステル&ユースホステル「$25」まで料金はさまざまです。
高級ホテル(5つ星) | $200~300 |
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高級ホテル(4つ星) | $150~200 |
B&B:& | 100~160(ダブル) |
バックパッカーズホステル&ユースホステル | $25~40 |
シドニーにある5つ星ホテル、「シャングリラ ホテル シドニー」。
宿泊料金は予約サイトによってまちまちですが、だいたい$300くらいとなっています。
一度はこんなホテルでゆっくり時間を過ごしてみたいですね。
ちなみにケアンズやゴールドコーストなどのリゾート地は、大都市よりも料金は安めです。
外食代
オーストラリアではフィッシュ&チップスから日本料理まで色んな料理が食べられ、料金は日本より3~5割高いといったところです。
ランチ | $15~30 |
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ディナー | $30~70 |
多民族国家であるオーストラリアでは世界中の料理が集まり、広大な大地と豊かな海からとれる食材はフレッシュ。
「BYO(お酒の持ち込み歓迎」というシステムもあるので、美味しいワインを見つければ食事の時間をもっと楽しくできるでしょう。
美味しいレストランを探すための情報源
- Webサイト:best restaurant of australia
- 情報誌:「good food guide」(シドニー)
その他費用
ミネラルウォーターやパン、コーラ、チョコレートなど、生活の中で「ちょっとほしいな」と買ってしまうようなものの参考物価は以下の通りです。
パン(約3斤分) | $1~5 |
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じゃがいも(1kg) | $2~3 |
牛肉(100g) | $1.6~2 |
鶏むね肉(100g) | $0.8~1.4 |
コーラ(600ml) | $3.75 |
牛乳(2L) | 2~4.98 |
チョコレート(200g) | $2.5~5.5 |
この参考物価は「オーストラリア留学センター」で掲載された記事(2017年8月更新分)を参照しています。
「オーストラリア留学センター」のサイトはこちらから
出入国の手続きにおける注意点
オーストラリアでは日本のパスポートの場合、出入国審査は原則eパスポートセルフサービスの利用となります。
専用機械は出入国審査に向かう途中であるので、空いているところでパスポート情報の読み取りにいきましょう。
入国手続きの流れ
- eパスポート・セルフサービスの専用機械でパスポート情報の読み取り、質問に答えると発行されるパスを受け取る
- 入国審査場へ進み、顔認証ゲートにパスを挿入する
- カメラで顔写真撮影をして入国審査は完了
- (必要なら)手荷物引渡所で機内預けに持つを受け取る
出国手続きの流れ
- フライト出発時刻の2時間前を目安に搭乗手続き開始
- eパスポート・セルフサービスの専用機械でパスポート情報を読み取り、ゲートが開いたら審査完了
- 出発30分前までに搭乗ゲートへ
オーストラリアの免税範囲は以下のとおりで、衣類(毛皮を除く)や履物、衛生用品、身だしなみ用品など個人用物品のほとんどは持ち込むことができます。
オーストラリアの免税範囲
- 酒類:2,250ml
- たばこ25gと開封した1箱
- 毛皮製品除く衣類
- 商業目的以外の身の回り品
- その他合計額が$900(18歳未満は$450)
- 現金の持ち込みは無制限、ただし$10,000以上に相当する場合は要申告
お酒やたばこなどの免税範囲を超えると、超えた分だけではなく全ての物品に関税がかかるので注意が必要です。
おわりに
一つの国を理解するには膨大な情報量が必要なので大変ですが、最低限「治安情報」や「入出国手続き」、「生活環境」を知った上で訪れることをおすすめします。
抑えるべきところを調べておけば、後は現地の日本語でサポートしてくれるところなどで情報を集めながら何とかやっていけるでしょう。
ただ「何を調べたらいいか分からないから止めようかな」と考えるのはもったいないので、「行きたい!」という自分の気持ちを大事にして準備をすることが大切です。