日本の魅力を考えよう

さらに日本酒を楽しむには?相性のいいお料理や酒器、温度の違い

「どんな日本酒とおつまみの組み合わせがあるの?」
「色んなお酒の器があるけど違いがあるの?」

古くから作られる日本酒には、長年積み重ねられた「楽しみ方」というものが沢山あります。
日本酒単体の味わいだけでなく「おつまみ」や「温度」、「酒器」の組み合わせについてご紹介します。

日本酒とおつまみの楽しみ方は自分次第

ウチ飲みは安いし色々と楽しめる

日本酒は「味」の幅広さに加えて、「温度」や「合わせるお料理」、「器」などで楽しみ方は無数に存在します。

こだわりのあるお店では知識を教えてくれたり、上質なお酒を丁寧に保存していたりするので、ただ待っていれば美味しく頂けることは間違いありません。

対する「ウチ飲み」は全てを自分で準備しなければいけないものの、工夫次第でより日本酒を楽しむことができます。

ウチ飲みのイイところ

  • お酒とお料理の組み合わせを自在に
  • お酒を色んな酒器で楽しめる
  • お酒の温度を変えて違う味わいも
  • なんといっても安あがり!

それではお酒の種類以外に「温度」「おつまみ」「酒器」の工夫で、どのように日本酒を楽しむのかをみていきましょう。

温度で変わる日本酒の味わい

日本酒には温度別の呼び名が55℃以上~5℃の間で10コもあり、一つ一つで味わいに特徴があります。

温度別の呼び名と味わい

55℃以上 飛びきり燗 酒の香りが強く辛口
55℃ あつ燗 酒の香り鋭く切れ味のよい辛口
45℃ 上燗 酒の香りと味わいが引き締まる
40℃ ぬる燗 酒の香りが最も豊かで味わいもふくらむ
35℃ 人肌燗 米や麹の良い香りがしてさらりとした味わい
30℃ 日向燗(ひなたかん) 酒の香りが引き立ちなめらかな味わい
20℃ 室温 酒の香りや味わいがやわらかい
15℃ 涼冷え(すずひえ) 香りが華やかで味わいにとろみがある
10℃ 花冷え(はなひえ) 注いだ直後の弱い香りは弱いものの徐々に広がる
5℃  雪冷え(ゆきひえ)) 香りはあまり立たず味わいも分かりづらい

(「&SAKE 二十歳からの日本酒BOOK/日本酒造組合中央会」を参照)

雰囲気の良いお店で「雪冷え(ゆきひえ)でお願いします」なんていってみたいですよね。

相性のいい日本酒とお料理

日本酒とお料理の組み合わせでは、「こってりしたお酒にはこってりしたお料理を、さっぱりしたお酒にはさっぱりしたお料理を」というのがポイントです。

また温度も「温かいお料理には温かい温度で、冷たいお料理には冷たい温度で」というのも頭に入れておきましょう。

日本酒とお料理の組み合わせ例

分類 日本酒の種類 材料例 味付け お料理例
こってり系 古酒、生酛(きもと)、山廃(やまはい) まぐろ、牛肉、豚バラ 醤油・味噌系、バター・動物脂 すき焼き、煮込み料理
中間系 純米酒、本醸造 えび、かに、豚ひれ肉 オリーブオイル、ポン酢 しゃぶしゃぶ、野沢菜漬け
さっぱり系 吟醸、生酒 たい、いか、鶏肉 しょうが、柑橘系 湯豆腐、寄せ鍋、酢の物

(「ゼロから分かる!図解日本酒入門/山本洋子」を参照)

美味しいお酒に美味しいお料理を食べるなら、できたら最高の組み合わせでいただきたいものです。

器でも楽しめる日本酒のおいしさ

日本酒ほど器を楽しめるお酒はない

日本酒と器の組み合わせで味わいが変わってくるので、特徴を知っておくと飲む楽しさが増すでしょう。

陶器


粘土から作られていて、手荷物と土の温もりを感じることでしょう。
厚みもあることから熱燗に向き、表面に細かい凹凸があると味をまろやかにしてくれます。

磁器


岩石を砕いたものから作られていて、薄く透明感があることから繊細に味わいたいお酒にはもってこいです。
また吸水性がないのでカビることもなく、長く使えることも特徴の一つ。

漆器


漆が幾重にも塗られている漆器は冬でも温かく、なめらかな表面には職人の技を感じずにはいられません。
どぶろくやにごり酒などの美しさを際立てるサポートをしながらも、軽い・壊れにくい・断熱性もあり実用性にも優れています。

ガラス


薄いガラス器はお酒の色や味、香りをじっくり確かめることができ、光にかざせば粘度までわかってしまいます。
中には口がすぼまっている酒器もあり、香りがとびすぎないように工夫されたデザインです。

切子ガラス


ガラスの表面に模様が刻まれていて工業的価値が高く、飲みながら色んな形やその意味も楽しめます。
模様にはストライプや市松模様などの和デザインが増え、お酒を注いだときに光が四方八方に広がる光景は息をのんでしまいますね。江戸切子や薩摩切子などが有名です。


杉をくりぬいたシンプルな形の猪口(ちょこ)で、爽やかな杉の香りだけでもお酒を楽しむことができます。
軽くて落としても割れにくいことに加えて、安いので旅先で買うのもおすすめです。

錫(すず)


銀色に輝く器を手に持てばその重厚感が心地よく、最も冷たくお酒を飲めるのが金属酒器の特徴です。
あまり割れづらいので長持ちもするので、「冷酒にはこれ!」といったお気に入りの酒器を持つのはいかがでしょうか。

器の産地は全国にある

「滋賀の信楽焼」や「佐賀の波佐見焼」、「青森の津軽塗」など、旅でお店屋さんを歩けば各地の名産品は目に留まりますよね。

一つ一つで形や手触りが違く、気に入ったものがあればついつい買ってしまうものです。
日本を旅する楽しみの一つになればと、全国の器の産地をご紹介します。

全国の器の産地

陶器 益子焼(栃木県)、越前焼(福井県)、美濃焼(岐阜県)、常滑焼(愛知県)、信楽焼(滋賀県)、伊賀焼(三重県)、京焼(京都府)、備前焼(岡山県)、萩焼(山口県)、唐津焼(佐賀県)
磁器 九谷焼(石川県)、京焼(京都府)、砥部焼(愛媛県)、小鹿田焼(大分県)、有田焼(佐賀県)、伊万里焼(佐賀県)
漆器 津軽塗(青森県)、川連漆器(秋田県)、浄法寺塗(岩手県)、鳴子漆器(宮城県)、木曽漆器(長野県)、輪島塗(石川県)、越前漆器(福井県)
金属器 錫器(大阪府、富山県)

美味しいお料理、美味しいお酒に加えて、素敵な器で旅の楽しみも倍になってしまいますね。

おわりに

おつまみや温度は味わいの変化を楽しめ、酒器は見ていて溜息が出るほど美しいものもありますよね。
忙しい毎日の中で器に日本酒を注ぐ瞬間に心休まり、口に運びながら冷静に今の状況を振り返ったり、未来について思いを巡らしたりできます。

たしかに飲みすぎはよくありませんが、適度にお酒を生活の中に取り入れてリフレッシュできる時間を作っていきましょう。

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HEYPON
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【自己紹介】青森生まれ/実家は養豚場/5人兄弟4番目/自然好き/日本好き 【経歴】高校まで青森▶大学で関東進出(埼玉)▶大阪の会計事務所に就職▶5年半働いて退職▶日本を回る▶次は海外だ! 【意気込み】「旅をしながら生きていきたい」そんな夢を抱きながら日々を生きていきます。