「海外旅行保険って必ず必要なの?」
「保険会社とクレジットカードではどちらにしたらいいの?」
旅をするにはパスポートやビザの他に「海外旅行保険」の手続きは必須です。
とはいえ「必要なのはわかるけど何から調べたらいいの?」という人に、そもそもの考え方からお伝えをします。
これから加入を検討している人はぜひお読みください。
Contents
なぜ海外旅行保険に加入する必要があるのか
海外旅行保険とは旅行先でのアクシデントによって発生した金銭的な負担をカバーしてくれるもので、加入が必要な理由はいくつかあります。
海外旅行保険の加入が必要な理由
- 病気やケガをしたときの高額な治療費
- 日本人旅行者は狙われやすい
- 旅にトラブルはつきもの
- 日本語が通じない
加入や補償内容の検討をするにも、「なぜ必要か」をしっかりと理解おくのも大切です。
海外では高額な治療費がかかる
日本であれば国民皆保険制度で治療費も安く済みますが、海外では医療機関にかかると高額な費用を請求されます。
日本と海外の治療費用
内容 | 日本 | アメリカ | タイ | フランス |
救急車の料金(公営) | 無料 | 123,000円 | 無料 | 5,900~7,300円+走行加算 |
1日あたりの病院部屋代(個室) | 30,000~100,000円 | 204,900円 | 33,500~40,100円 | 126,100円 |
1日あたりの病院部屋代(ICU) | 80,000~100,000円 | 1,024,700円 | 55,400円 | 286,700円 |
虫垂炎手術 | 600,000円 | - | 480,000円 | 1,089,200円 |
骨折 | 20,000円 | - | 30,000円 | 40,100~45,900円 |
(「ジェイアイ傷害火災保険」より作成)
上記の表より治療費用はアメリカやフランスは日本に比べて高く、タイは安いことがうかがえるでしょう。
また日本にいれば入院が続き治療費が高額になったとしても、社会保険制度で色んな支援を受けることができますが、海外ではありませんので注意が必要です。
犯罪発生率が日本よりも高いところが多い
比較的に治安が良い国でも、犯罪発生率をみると日本に比べて高いところが多いです。
日本と比較した犯罪発生率
オーストラリア | 日本の2~25倍 |
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カナダ | 日本の約5倍 |
ニュージーランド | 日本の約40倍 |
イギリス | 殺人1.6倍、強盗87倍、侵入盗11倍 |
ドイツ | 日本の約6倍 |
(「外務省海外安全ホームページ」より作成)
ちなみに「海外邦人援護統計」によると、日本人が巻き込まれたトラブルで多いのが「強盗」「窃盗」「詐欺」などの財産犯罪による被害で、被害件数の約9割を占めています。
海外では日本人に対して「現金を持ち歩いている」「防犯意識が薄い」というイメージを持っているので、旅行者とみると狙われるということを頭に入れておきましょう。
旅にトラブルはつきもの
スリや強盗などの犯罪被害の他にも、旅先では色んなトラブルにあう可能性があります。
たとえば飛行機の遅延・欠航による宿泊代・食費の発生、預けた荷物の破損、旅先で他人に損害を与えるなどです。
一定の条件はあるものの、多くのトラブルをカバーしてくれるのでご安心ください。
トラブルが起きても日本語が通じない
海外でトラブルが起きたら周りの人はもちろんのこと、医療機関などの公的な機関でも日本語対応をしていないところがあります。
英語ができるのであれば少しはいいのですが、混乱している状況で様々なことに配慮をするのは大変ですよね。
海外旅行保険では付帯サービスとして「電話対応サービス」がついていて、「24時間365日で日本語対応」してくれるので安心です。
海外旅行保険で補償される内容
海外旅行保険で補償される内容は、大きく分けて3つあります。
- 旅行先での病気やケガ
- 他の人や物を傷つけたときの賠償責任
- 交通機関や携行品におけるトラブル
それでは補償される内容を一つ一つみていきましょう。
旅行先での病気やケガ
海外で病気やケガにあったときに、高額な治療費用を補償してくれるものです。
また現地での治療費用だけでなく、救援費用や帰国後の後遺傷害などに対する補償もあるので内容を確認して必要性を検討しましょう。
傷害死亡 | 旅行中の事故によるケガが原因で亡くなった場合 |
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傷害後遺障害 | 旅行中の事故によるケガが原因で身体に後遺障害が生じた場合 |
治療・救援費用 | 旅行中にケガや病気で治療を受けた場合の治療費の支払いや、3日以上入院か飛行機の遭難で日本から家族が現地に行く場合など |
治療費用 | 旅行中にケガや病気で治療を受けた場合 |
緊急歯科治療費用 | 保険責任を負う機関で歯科疾病症状の急激な発症・悪化の為、歯科医師によ緊急歯科治療が開始された場合 |
疾病死亡 | 旅行中に病気が原因で亡くなった場合 |
救援者費用 | 3日以上入院か飛行機の遭難で日本から家族が現地に行く場合など |
海外で病気やケガをしたときの、補償事例は以下のとおりです。
補償内容 | 場所 | 事故内容 | 補償金額 |
疾病死亡 | サイパン | 心臓発作 | 120万円(救援者費用)、2,000万円(疾病死亡) |
疾病治療費用 | イタリア | 腹膜炎 | 71万円(治療費用)、180万円(救援者費用) |
傷害治療費用 | イタリア | 大腿骨骨折 | 350万円(障害治療費用)、350万円(移送費用)、700万円(後遺障害) |
傷害治療費用 | カナダ | 対向車との衝突 | 780万円(傷害治療費用)、250万円(救援者費用) |
(「i保険(あいほけん)」より一部抜粋)
携行品や交通機関におけるトラブル
持っていたバックが盗まれたり、飛行機の遅延などで余分に宿泊代や食事代がかかったりといったトラブルを補償してくれるものです。
携行品傷害 | 旅行中に携行品の盗難か破損があった場合、パスポートの盗難による再取得の場合など |
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航空機寄託手荷物遅延 | 航空会社に預けた手荷物が、到着後の一定時間以内で目的地に運搬されなかった場合 |
航空機遅延費用補償 | 飛行機の欠航・遅延により余分に宿泊代や食費がかかった場合 |
海外で携行品や交通機関のトラブルにあったときの、補償事例は以下の通りです。
補償内容 | 場所 | 事故内容 | 補償金額 |
携行品 | メキシコ | ひったくり | 約15万円 |
携行品 | ハワイ | 車上荒らし | 27万円 |
航空機遅延 | アメリカ | 航空機欠航 | 2万円 |
(「i保険(あいほけん)」より一部抜粋)
他の人や物を傷つけたときの賠償責任
海外で他の人や物を傷つけてしまったとき、法律上の賠償責任を補償してくれるのものです。
個人賠償責任 | 旅行中に法律上の賠償責任を負った場合など(他人にケガをさせる、お店の品物を壊す、ホテルを水浸しにするなど) |
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日本にいても起こりうるものですので、しっかり検討することをおすすめします。
海外旅行保険の選び方
海外旅行保険は2種類
海外旅行保険には「保険会社で加入するもの」か「クレジットカードに付いているもの」の2種類があります。
海外旅行保険の種類
- 保険会社で加入するもの
- クレジットカードに付いているもの
「保険料」や「補償内容」、「補償金額」、「補償期間」などに違いがあり、どのような旅行をするのかを明確にした上での検討が必要です。
選ぶときのポイントとは
「何から検討したらいいかわからない」と思われるかもしれませんが、順番に考えていけば心配はいりません。
まずは「加入人数・滞在日数」や「旅先の治安・医療情報」といった「前提条件」を確認した上で、「保険会社」と「クレジットカード」の特徴から比較検討していきます。
海外旅行保険の加入ステップ
- 加入人数や滞在日数を決める
- 旅行先の治安状況や医療体制の確認
- クレジットカードの検討(滞在日数が90日以上だと不可)
- 保険会社でのプランを確認
- 補償内容を選ぶ
- 補償されない内容の確認
いくつかの保険会社とクレジットカード会社で比較をしてみました。
前提条件:渡航先⇒オセアニア、滞在日数⇒30日、加入人数⇒1人
項目 | 損保ジャパン | ジェイアイ傷害火災 | 楽天カード | エポスカード |
傷害死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | 2,000万円 | 500万円 |
傷害後遺障害 | 1,000万円 | 1,000万円 | - | - |
治療・救援費用 | - | 1,000万円 | - | - |
治療費用 | 1,000万円 | - | 400万円 | 470万円 |
緊急歯科治療費用 | 10万円 | - | - | - |
疾病死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | ||
救援者費用 | 1,000万円 | - | 200万円 | 100万円 |
個人賠償保険 | 1億円 | 1億円 | 2,000万円 | 2,000万円 |
携行品損害 | 30万円 | 30万円 | 20万円 | 20万円 |
航空機寄託手荷物遅延 | 10万円 | 1万円 | - | - |
備考 | 保険料22,970円 | 保険料13,720円、テロ等対応、弁護士費用等の補償あり | 傷害死亡には後遺障害含む | 傷害死亡には後遺障害含む |
旅先の医療・治安情報やお身体の状態から「どんな補償内容」や「どれくらいの補償金額」が必要かという視点で選んでいけば、後から「こんなことになるとは・・・」という事態を防ぐことができるでしょう。
おわりに
- 海外旅行保険は「高額な治療費」や「トラブルの多さ」、「日本語が通じない」などの理由から必要
- 補償内容は「病気・ケガ」「賠償責任」「携行品や交通機関トラブル」である
- 加入先は補償内容や金額、保険料から比較検討するが、クレジットカードは90日未満の旅行は不可
保険とは将来起こるかもしれないリスクに対して、前もってお金を出して備えておくものです。
もちろん万全にしておくに越したことはありませんが、自身の状態に合わずに余計な費用をかけてもいけません。
補償内容や保険料、起こりうるリスクを考えた上で、自分に合った保険を探すようにしましょう。